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メモ1

晩年の秀吉についてほぼ触れていないのが致命傷です。, 2008/1/11
By 臼井健士 - レビューをすべて見る

横山先生の歴史もので珍しい「失敗作」。

豊臣秀吉を語る上で「絶対に外してはいけないポイント」が「晩年の凋落」にあることは周知のことであるはずなのに、この漫画はそれをやっていない・・・・・・なぜ?。

大体において人は「成功体験」よりも「失敗体験」から多くのことを学んでいくものである。なぜなら、時代・場所・文化等の違いはあれど、失敗には普遍性があり成功には普遍性が無いからだ。「浪費」「専横」「無知」「女」・・・・失敗するのは共通の要素というものがある。
これ対して、成功する人間には普遍性が無く、「前例の無いとんでもないやり方」で富を築いたり、社会的な地位を得たり、あるいは多くの人間の命を救ったり、人類の発展に貢献したりする人間が出てくる。

秀吉も一介の貧農から「関白」の位に登りつめるまで「成功」に次ぐ「成功」ではあるが・・・・それは秀吉の生涯から、現代に生きる我々が学ぼうと考える上ではさして重要なことではない。まあ、敢えて挙げるなら「ハングリー精神は常に持っとけ」くらいであろう。本当の意味で学ぶことが出来るのは「関白」以後の秀吉で、「破格の出世を遂げた英雄」の見る影も無く没落していく姿にこそ多くのものを感じ取るべきなのだ。

秀吉の最大の失政は「朝鮮出兵」を晩年に強行したことにある。
所謂、文永の役・慶長の役という足掛け10年程に渡って続けられた戦いは「英雄」の評価を著しく傷付けた。さらに老年にて授かった自らの実子「秀頼」を溺愛する余り、自らの跡目を継いでいた甥の関白・秀次に謀反の嫌疑を掛けて詰め腹を切らせたばかりか、その妻子を悉く京都で処刑した非道。政治の相談役であり、弟・秀長と並び信頼を寄せていた茶人「千利休」をこれまた石田三成等の讒言を鵜呑みにしての切腹・・・等、「立つ鳥、跡を濁さず」と言うなら「人生、五十年」の世の中で一度は「栄光」を掴みながらも、これ程「跡を濁した」武将も他に類を見ない。

彼はなぜ栄光を味わいながら狂っていったのか?
「戦国時代」は「下克上」の言葉に代表されるように「成り上がり者の時代」である。
本来なら身分が下の者が上の者を打ち倒して取って代わる。
あまり意識はされていないようだが、実は秀吉こそがこの時代の風潮の最も恩恵を受けた者であろう。
彼の強みは失うものを最初から持っていなかったということだ。富も名誉も土地も先祖代々の譜代の家臣でさえも。「失敗」しても守るべきものを何も持っていなかった秀吉は、常に自分自身の命だけに覚悟を決めて戦場を駆け抜けていけば良かった。そこが彼の縦横無尽の行動力の秘密であり、「最大の泣き所」でもあった。

最初から基盤持っていた他の武将と、何も無いところから自らの力で築き上げてきた秀吉と。
遠く先祖代々築き上げてきたものを持つ者たちに僅か一代で肩を並べ、追い越そうとする秀吉は「富」や「財力」や「将としての器量」等の秀吉個人の能力で収集・蓄積するものでは他を圧倒することが出来ても、「歴史」や「名誉」や「伝統」といった秀吉個人の力量では手に入れ難いものの前では赤子同然の無力さであった。
秀吉自身が数多くの妻を持ちながらも、足軽時代に結婚した正室の「ねね」以外は皆、本来は身分の高い名家の姫ばかりであったことなどに秀吉の手に入れ難いものへの「羨望」が見え隠れする。自分の血の中に憧れて止まない「高貴さ」や「伝統」を入れようと欲したのであろうか?。

「秀吉個人のカリスマ」に頼らざるを得ない豊臣政権の基盤は貧弱であった。実子にも恵まれず譜代の家臣も持ち得ない秀吉には、早くから自らが築き上げてきた栄光の全てを「いずれは他の誰かに譲り渡さなければならないこと」がハッキリと見えていたはずだ。苦労に苦労を重ねて得たものをタダ同然に赤の他人に譲り渡さなければならない屈辱・怒り・落胆・失望たるや如何ばかりであろうか?想像に難くは無い。
そして・・・・・そんな絶望の真っ只中にあって、自分の全てを受け継いでくれるかもしれない「唯一の希望」を授かったのだとしたら・・・・・。その先はどうなるのか・・・・・・?。

秀吉晩年の「狂気」はそれらを全て理解した上での「足掻き」ではなかっただろうか(了)。
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